FUJIFILM X-T30 レビュー|ほぼフラッグシップなハイスペックコンパクト

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今回は、最高にお気に入りだったカメラ「X100F」とのお別れを経て手に入れた「X-T30」のレビューをしていきたいと思います。

ありがとう、X100F。お別れのレビュー。
「No pain, No gain」という言葉がある。英語の...

サブ機として購入した X-T30 ですが、フラッグシップ機に引けを取らないハイスペックなコンパクトミラーレスカメラとなっています。

これからカメラを始めようと思っている人はもちろん、サブ機としても優秀なカメラなので是非チェックしてみてください。

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X-T30のスペックと概要

X-T30は、X-T10,20と続くFUJIFILMのコンパクトシリーズで、
キュートなルックス故に意外とファンが多かったり、FUJIFILMのエントリー機として人気のシリーズとなっています。

前モデルのX-T20とほぼサイズの変更は無く、グリップ形状の変更によりホールド性は上がっています。

カラーは、ブラック・シルバー・チャコールシルバー とあり、僕はレンズとの見た目のバランスを考慮して無難にブラックを購入しました。
チャコールシルバーがなかなか渋いカラーなのでめっちゃ迷ったけど。

まずは簡単にスペックでも。詳細が知りたい方は、公式HP へ。

スペック
  • 本体寸法:[幅]118.4mm ×[高さ]82.8mm ×[奥行き]46.8mm
  • 重量:約383g(バッテリー、SDカード込み)
  • 撮影可能枚数:約380枚(ノーマルモード時)
  • 有効画素数:約2610万画素(APS-C)
  • ファインダー:0.39型有機ELファインダー(約236万ドット、ファインダー倍率:0.62倍 )
  • 液晶モニター:3.0型 2方向チルト式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター(約104万ドット)

スペックを簡単に表すとしたら「ライトウェイトX-T3」と言ったところ。

最新のセンサーを積んだFUJIFILMのフラッグシップであるX-T3と比較すると、
ファインダーとか3軸チルト液晶とか劣る部分はあるけど、写真の画質とかAF性能はほぼ一緒で、より軽量になっています。

最新のセンサー・画像処理エンジン搭載

X-T30には、最新(2019年現在)のセンサーである「X-Trans CMOS 4」や、画像処理エンジンも「X-Processor 4」が搭載されています。

上位機種である「X-T3」と同じセンサー・画像処理エンジンを積んでいるため、
リーズナブルなエントリー機であるにも関わらず、フラッグシップ機と同等の高画質な写真を撮影することができます

メカニカルシャッターで最速8コマ、電子シャッターで最速30コマといった高速連射撮影も可能。

クラシカルな外観とダイヤル操作は健在

ボディは小さいですが、FUJIFILMのカメラの特徴でもあるクラシカルな外観と、天面に配置されたダイヤルによる操作性の高さは健在です。

前面にはフォーカスモードを変更するダイヤルも搭載されていて、上位機種と同等の操作性となっています。

また、このX-T30にはシャッタースピードダイヤルのそばにAUTOモードのレバーがあり、瞬時にオート撮影が可能。

ただ、X-T3やX-H1では、向かって右側のダイヤルが ISO感度の調整ダイヤル になっているのに対して、X-T30では 撮影モードの設定ダイヤル となっています。
このあたりは、ライトユーザーの使用を考慮してですかね。

背面側の操作性は少し仕様変更

前モデルであるX-T20と比較して、ファインダーやモニターのスペックは据え置きですが、レスポンスが向上しているとのこと。

液晶モニターはもちろんタッチ操作対応で、フォーカスエリアの設定やクイックメニューの操作、プレビュー画面の操作などが可能です。

X-T20と大きく仕様変更した点としては、Dパッド(十字キー)がフォーカスレバーに変更されている こと と、Qボタンの位置が変更されている ことですね。

8方向に操作できるフォーカスレバーが搭載されたことで、よりシンプルにフォーカスエリアなどが選択できるようになりました。
背面のボタン類が減ったことにより、誤操作なんかも減りそうですね。

素早く設定を変更できるクイックメニューを表示するためのQボタンですが、X-T30では親指をホールドするグリップ部分に位置が変更されています。
これにより、カメラを構えた状態でも他のボタンと押し間違えること無くクイックメニューを呼び出せるようになっています。

一応フラッシュも搭載

他のFUJIFILMのカメラでは、申し訳程度の外付けフラッシュが付属しているだけなんですが、
X-T30にはカメラ自体に標準搭載されています。

僕は使ったことないけど、いざという時には使えそうですね。
ただ、前にしか向けることができないので、バウンスとかはできません。

いろいろレンズを付けてみた

僕の現在使用しているものだけですが、いくつかレンズを付けてみました。組み合わせの参考までに。

XF35mm F1.4 R

まずは、X-T30と組み合わせるのは定番であろう神レンズの「XF35mm F1.4 R」。

コンパクトなレンズなので、ボディとのバランスが素晴らしくマッチしています。フードを付けると少し大きく見えてしまうので、フードは外しています。

軽量で気軽に使える組み合わせですが、撮れる画は上質そのものなので、
ある意味最強な組み合わせかもしれません。

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XF16mm F1.4 R WR

次に、大口径広角単焦点レンズの「XF16mm F1.4 R WR」。

個人的には許せる範囲のアンバランス感ですが、なかなかフロントヘビーとなります。

レンズ側でホールドするようにすればそこまで使いにくさは感じませんが、気楽に片手撮影とかは難しそうです。

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XF90mm F2 R LM WR

最後に、FUJIFILM最強のキレキレレンズである「XF90mm F2 R LM WR」。

できれば首からはぶら下げたくない組み合わせですが、ギリギリなんとか使えます。
カメラ自体のホールド性はそこまで高くないので、手振れしないためにはしっかり構える必要がありますね。

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他のカメラとサイズ比較

軽量・コンパクトとは言ったものの、どれくらいコンパクトかは比較してみないとわからないもの。
というわけで、僕の持っている(た)カメラだけですが、ちょっと比較してみました。

X-H1と比較

レンズは付けっぱなしですが、僕のメイン機でもあるXシリーズ最大の「X-H1」と比較するとこんな感じ。
見た目こそ結構共通点はありますが、サイズ感はかなり違いますね。

X-H1 :[幅]139.8mm ×[高さ]97.3mm ×[奥行き]85.5mm(グリップ込み)、[重量]673g

X-T30:[幅]118.4mm ×[高さ]82.8mm ×[奥行き]46.8mm(グリップ込み)、[重量]383g

サイズとしては、幅は 約20mm、高さは 約15mm、奥行きは 約40mm、重量でいうと 約300g も違います。

もちろん、ファインダーやグリップの大きさなどにも差があるため使用感も違ってきますが、
サイズや重量に関してだけでいうとX-T30が凄まじく優秀ですね。

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X100Fと比較

次は、FUJIFILM屈指のコンパクトカメラである「X100F」と比較です。
X100Fはレンズ付きのカメラなので、僕の所持する最もコンパクトな「XF35mm F1.4」を装着した状態で比較したいと思います。

X100F: [幅]126.5mm ×[高さ]74.8mm ×[奥行き]52.4mm (レンズ込み)、[重量]469g

X-T30:[幅]118.4mm ×[高さ]82.8mm ×[奥行き]約95mm(レンズ装着)、[重量]383g + 187g(ボディ + レンズ)

ボディ自体のサイズ感はあまり差はありませんが、装着するレンズによって奥行きに差がでる感じですね。

重量に関しても装着するレンズにもよりますが、XF35mm F1.4 R の場合だと首からぶら下げていても気になるほどの重量差は無いように感じます。

携帯性の高さは、どちらも同程度に高いですね。

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作例

X-T30で撮れる写真ってよりはレンズの作例に近いですが、まぁこんな感じで撮れますよってことで参考までに。(ちなみに、すべてRAW現像してあります。)

XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF16mm F1.4 R WR
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF16mm F1.4 R WR
XF90mm F2 R LM WR
XF16mm F1.4 R WR
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
XF35mm F1.4 R
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X-T30の使用感

小さい。軽い。最高!

やっぱり、このカメラの特徴でもあるサイズ感や軽量さで、フラッグシップと同等の写真が撮れるのは最高ですね。

メインで使用しているX-H1と比較するとサイズ・重量にかなりの差があるので、ちょっとした外出にも持って行こうと思えるカメラです。
このカメラと入れ替えになったX100Fの役割も、ちゃんと担ってくれそうな予感。

グリップは小さいからホールド感は気になると思いきや、ボディ自体が軽いのでホールド感は意外と大丈夫。

さすがに大きめのレンズなんかを付けるとバランスが崩れるけど、コンパクトな単焦点シリーズなんかとはめちゃくちゃバランスが良いでしょうね。

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純正やサードパーティー製のグリップなんかも販売されているので、グリップ感が気になる方は使ってみても良いかもしれませんね。

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ちゃんと高速シャッターが使用可能

恐らくエントリーモデルであろうX-T30ですが、最高で 1/32000秒(電子シャッター使用時)で撮影可能です。

開放F値が F2 とか F1.4 の明るいレンズなんかは、シャッタースピードを高く設定しても晴天での撮影では明るく写り過ぎてしまうため、絞り開放が使えないことがあります。

X-T30であれば、明るい単焦点レンズ(F1.4シリーズとか)も晴天時に絞り開放でガンガン使えます。

ここまでシャッター速度を早く設定できるエントリーユーザー向けのカメラって意外と少なくて、
競合機種である SONYのα6000番台のシリーズや、最近発表されたNikonの「Z50」なんかは最高で 1/4000秒 までしか設定できません。

Canonの「EOS M6 MarkⅡ」であれば 1/16000秒(電子シャッター使用時) まで設定可能ですが、X-T30の1/32000秒 には及ばないですね。(ここまで早く設定することはほとんど無いけど)

細かいポイントではありますが、絞り開放で背景ボケを使った写真が大好きな僕としては外せないポイントです。

AFが優秀になった!

センサーと画像処理エンジンが最新のものになったことにより、AFはトータルバランスが圧倒的に優秀になった気がします。(X-H1と比較して)

AF速度としては、もともとAFの早い「XF90mm F2 R LM WR」なんかでは違いを感じにくいですが、AFが遅いことで有名な「XF35mm F1.4 R」なんかではかなり違いを感じます。

他にも、顔認識や瞳AFの精度が格段によくなったり、薄暗いところでのAFも迷うことが減りました。

動体撮影なんかではレンズ自体のフォーカス方式などにも影響されるので、どのレンズでも動体撮影が可能になるほどAFが速くなったりはしてませんが、
ファーストアクションでのフォーカスの速さや正確さが改善したことで、撮影時のAFによるストレスはかなり減りました。

プレビュー画面、少し良くなった?

これに関しては感覚的な部分ですが、プレビュー画面での写真の解像度が良くなっている気がします。
スペックだけで言うとファインダーも背面液晶も解像度が上がる要素はありませんが、気のせいですかね?

RAWで撮影した写真をプレビュー画面で拡大表示すると、X-H1よりも拡大倍率が高い気がするし、なんか綺麗なんですよね。

おかげで、撮影した写真のピンボケや手振れが確認しやすくなったわけですが、これに関しては詳細はわかりません!(笑)

ファインダーのアイカップは無いけど、意外と大丈夫

X-T30には、X-T3やX-H1のような大型のアイカップがありません。
撮影時の遮光性なんかを考えるとあるに越したことはありませんが、個人的にはあまり気になりませんでした。

X-100FやX-Pro2とかもアイカップは浅いですし、FUJIFILMのカメラはアイカップが無くても見やすいように工夫されているんですかね?

ただ、女性の場合はお化粧がファインダーに付くくらい浅いので、注意した方が良いポイントかもしれません。

一応、サードパーティー製のアイカップがありますので、気になる方はこういうのを使うのもありかと思います。

センサーが変わったけど、画質の違いは微々

X-T30には最新のセンサー(X-Trans CMOS 4)が搭載されています。
従来のセンサー(X-Trans CMOS 3)よりも高画素化(2610万画素)し、常用感度も ISO 160 まで引き下げられました。

このスペックの進化だけみると、より高解像な写真が撮れる印象を受けますが、個人的にはあまり変化は無いかなと思います。
(AF性能の向上が凄すぎて、写真の変化が乏しく感じるだけかもしれませんが…)

しいて言うなら、高感度撮影をしたときとか、RAW現像の際にシャドウを持ち上げたときのノイズの乗り方が少しマシになったかな~程度のもんです。

センサーの世代で現行モデルを購入するか、旧モデルを購入するかを悩んでいる場合は、
写真の画質よりもAF性能で比較して検討する方が良さそうです。
(スポーツ撮影とか野鳥撮影とかでハイレベルなAF性能が必要ではないのなら、旧モデルのX-T20で十分だと思います)

操作性は若干低くなった

X-T30からDパッド(十字キー)が廃止されたため、操作性には少し慣れが必要かもしれません。

AFエリアの調整とかはジョイスティックの方が操作性が良いですが、画像のプレビュー画面やメニュー画面とかではやっぱりDパッドが欲しいところ。

僕自身は慣れてしまったので、今となってはボタン類は少ない方が良い派になりましたが、このへんは好みがわかれそうですね。

それ以上に、ISO感度の調整ダイヤルが無い方が気になっています。
X-T二桁シリーズは撮影モードの設定ダイヤルがついているのですが、撮影モードはほとんど変更することが無いので、やっぱりISO調整ダイヤルを付けて欲しかったな…

三脚のベースプレートを付けると…

これがほんとに解せないポイントなんですが、X-T30は三脚穴の位置が最悪です。

こちらが、三脚穴の位置。すぐそばにバッテリーとSDカードを入れる場所があります。

では、X-T30に三脚のベースプレートを取り付けたところがこちら。

はい、バッテリーもSDカードも交換できません。しかも、レンズの軸とズレてるし…。

まぁ、高性能をこのコンパクトなボディに詰め込むとなると、どこかを妥協しなきゃいけないのはわかりますが…(ちなみに、X100Fも似たような感じになっています)

僕は結構三脚を多用するので、ベースプレートを付けっぱなしにしていることが多いです。
ですが、バッテリー交換とか写真を撮り込むためにSDカードを取り出したりする時に、いちいちベースプレートを外さないといけないのは結構めんどくさいですね~。

解決策として、前述したグリップを取り付ける方法とかもありますが、せっかくの軽量・コンパクトが台無しになるので、できれば避けたいところ。

三脚を使用することの多いユーザーは注意が必要です。

最後に

エントリーモデル並みのコストパフォーマンスでありながら、メインカメラにもなりえる ”ほぼフラッグシップな” ハイスペックが詰まったカメラ「X-T30」。

携帯性の高い軽量・コンパクトなボディはもちろん、撮れる写真のクオリティの高さはちょっとした外出でもカメラを持ち出す気にさせてくれます。

FUJIFILMユーザーのサブカメラとしてのポジションはもちろん、カメラ初心者やFUJIFILMのカメラも気になっている他メーカーのユーザーにもオススメできるカメラとなっています。

丼

FUJIFILM沼の第一歩には最適なカメラです!
FUJIFILMはいいぞぉ~

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