ありがとう、X100F。お別れのレビュー。

CAMERA

「No pain, No gain」という言葉がある。
英語のことわざの一つで、いろんな表現で訳されているけど ”何かを失わずして、何も得ることはできない” といった感じの意味合いで使われることが多い。

…とまぁ、少しカッコつけた書き出しになりましたが、カメラを買いかえるのに似てるなぁとふと思ったわけです。
カメラなんて高い買い物をポンポンしていくわけにはいかないので、新しいカメラを買うには古いカメラを下取りに出す事が多いと思います。

というわけで、僕も新しいカメラを迎えるべく、長年連れ添った(って言っても1年半くらいだけど…)X100Fとお別れすることになりました

個人的にはかなり思い入れのあるカメラなので、X100Fとの思い出を少しだけ振り返りながら別れのレビューを書いて記録しておきます。

読むのが面倒な方は、作例だけでも見ていってください。

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X100Fとの思い出を振り返る。

サヨナラをする前に、この圧倒的に最高な外観を見ながら、思い出を振り返っていこうと思います。

X100Fとの馴れ初め。

X100Fと出会ったのは、僕がまだSONYユーザーだった頃。
カメラを始めて1年ほど経って、当時の僕がサブ機として使用していた「RX1 R M2」とかいう化け物とどうも相性が悪くてサブカメラの買い替えを検討している時。

メインカメラはα6500を使用していて、そのうちα7シリーズに乗り換えようと思っていたので、
気軽に持ち出せるコンパクトさでデザインの良いカメラが欲しいななんて思っていました。

そんな時に、有象無象とあるカメラの中から見つけたのが、この「X100F」でした。

このデザインに惚れた。

正直言うと、その頃の僕がFUJIFILMというカメラメーカーに抱いていたイメージは ”APS-Cのセンサーを積んでる割りには、値段が高いな” という感じ。

FUJIFILMのカメラなんて、まず購入候補に挙がらないだろうなと興味すらもってなかったけど、
このX100Fを見つけた時には完全に自分の中で前言撤回してたなぁ。

四角いクラシカルなフォルムに、天面に刻まれた文字(FUJINON LENS SYSTEMとか他のカメラで見たことない気が…)、レンジファインダーを彷彿とさせるOVF、各所に配置されたダイヤル類、そのすべてが絶妙なバランスで非常にクール。

もちろん、X100Fを買う前に、他のXシリーズのカメラも調べました。
X-Pro2なんかはフォルムも似ていてマジで欲しかったけど、Eマウントユーザーだった僕がXマウントとダブルマウントになるわけにはいかないし、
何よりコンパクトでオシャレなカメラという点で圧倒的にX100Fに惹かれていきました。

X100Fと過ごした日々。

そんなこんなでX100Fを購入して、短い間だったけどいろんな所を旅しました。
立ち位置はサブカメラだというのに、メインカメラよりもシャッターを切った回数は多い気がする。

そういえば、神戸フォトウォークの時もX100Fだけで撮影したっけな。

写真を見返してみても、僕のお気に入りの写真はX100Fで撮影したものが多い。
それくらい、最高の瞬間を逃さないカメラだったなと思います。

ブログを始めてからは、物撮り用のカメラとしても役立ってくれました。結構寄れるレンズ、室内で振り回しても苦にならないコンパクトサイズ、絞るとキレッキレの写り。
物撮りに必要な要素をほとんど網羅している、優秀なカメラでした。

そして僕は、FUJIFILMいいぞぉおじさんになった。

X100Fを手に入れたことにより、FUJIFILMのカメラの操作性、描写力に惚れてしまい、
数ヶ月後にはEマウントをすべて手放し、完全にXマウントへと移行しました

結果的に、「APS-Cセンサーのくせに、重くてデカいし、何より高い!誰が買うねん(笑)」と思っていたX-H1を手に入れていました。我ながら、盛大な手のひら返しをしたなぁと思います。

こうして、僕の “FUJIFILMいいぞぉおじさん” ライフが始まったのです。すべてはX100Fがきっかけ。

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最後の作例

もう自分のものとして撮ることは無いであろうX100Fの最後の作例になります。(テレコンを付けて撮ったものも含まれます。)

たくさんツレを撮ってたんだなぁ…。
こうやって見てみると、日常の一部分を切り取っている写真が多い気がします。

スナップシューターとはよく言ったもんだ。

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X100Fのあれこれ。

ここからは、X100Fのあれこれについて語っていこうと思います。特に写真は無いので、適当に流し読みして頂けたらと。

X100Fの良いところ。

X100Fの良いところとしては、もちろん ”コンパクトで持ち運びが楽” という点は外せないけど、
僕はそれ以上に ”コンデジというスタンスにも関わらず、ちゃんと構えて撮れるカメラ” という点が最高だなと思っています。

コンデジというと、SONYのRX100シリーズをはじめ、リコーのGRシリーズとかいろいろとあるけど、特に構えなくてもラフに撮れるカメラが多いです。

そのため、ファインダーがついていなかったり、ついていても簡易的なものだったり、
本格的に ”撮影” を楽しむには少し心許ない感じがします。

それに対してX100Fは、ちゃんとしたファインダーもついてるし、操作系もダイヤル類で直感的。
他のコンデジと比べても ”撮ってて楽しい” カメラだと思います。

X100Fはこんな人にオススメしたい。

初めてカメラを買う初心者の方

X100Fのレビュー記事でも書きましたが、X100Fはカメラ初心者にこそオススメなカメラだと思っています!
未だに、オススメのカメラを問われた際には、まずX100Fを提案するぐらい。

写りが最高(個人の感想)なのは当たり前として、35mmの画角やダイヤル類が中心の操作性は、写真やカメラ操作の基本を教えてくれる気がします。

SNSなんかでは、「35mmを極めた人は、写真撮るのが上手い」なんて文言もよく目にします。

カメラ初心者が中途半端に(こんなこと言ったら怒られそうだけど…)エントリー機とキットレンズを買って使うより、X100Fを使う方がずっと良い写真が撮れるし、上達も早いと確信しています。

若い世代の女性陣

あとは、若い女子なんかにもオススメしたいですね。

SNSブームの現代で、綺麗な写真を撮れるのは一種のステータスですし、FUJIFILMのカメラはフィルムシミュレーションなんかもあるから、簡単にエモい写真が撮れます。

しかも、このオシャレなルックスのカメラを持っている女子を見かけたら、カメラ好きの男子が黙ってはいないでしょう。
カメラ界隈の姫になれること間違いなしです。知らんけど。←

自分のパートナーを良い感じに撮りたい人

X100Fで撮った写真を見ていて気付いたのですが、ツレが良い表情をしている写真が多かったです。

X100Fには、背景が大きくボケてドラマチックに写るようなレンズが搭載されているわけではありませんが、
このカメラで撮ったパートナーの写真はなぜかとてもいい雰囲気な気がします。
(作例は載せられないけど…)

これは、換算約35mmというちょうど良い距離感で撮影できる画角と、向けられても身構えないX100Fのルックスが影響していると思います。

大きなカメラで背景ボケボケの写真を撮るのも良いけど、パートナーの自然な表情を撮ろうと思うとX100Fみたいなカメラの方が良いのかもしれませんね。

こんな人にはオススメできない

逆に、他メーカーのカメラを使っている人がサブ機に検討している場合は、あまりオススメしません。

画質重視で元々フルサイズのカメラを使っていた人でさえ、センサーサイズを小さくしてまでFUJIFILMのカメラに乗り換えるケースはよくあります。

X100Fを手にしたが最後、気付いた時にはXマウントに完全移行してしまっているかも…?

なぜ、X100Fを手放すのか?

じゃあ、なんでそんなお気に入りのカメラを手放すのかっていう話ですが、メインカメラとの両立が難しくなったから

X100Fは意外となんでも撮れちゃうので、メインカメラと一緒に持ち出してもX100Fばかり使ってしまう傾向がありました。
逆に意識してメインカメラを使おうと思うと、X100Fの出番に困ったり。

X100Fがメインカメラ並みの仕事をこなしてくれるので、役割分担が難しくなるんですよね。

それと、僕がズームレンズを捨てて単焦点プレイヤーになった事も関係しています。

単焦点レンズのみで機材を構成すると、必然的にレンズ交換の頻度が増えます。
そうなった場合、レンズ交換のできないX100Fは結構不便になることが多かったです。

もし、単焦点レンズを付けたカメラが2つあれば、レンズ交換の手間無く2つの画角を使い分けられますからね。

そう、やっぱりレンズ交換ができるサブ機が欲しくなったんだ…

最後に。

僕のX100Fは信頼ある友人のもとへ引き取られたので、大事に使ってもらえることでしょう。

誤算だったのが、X100Fを手放したことで ”X100Fロス” がきています。それだけ所有感を満たしてくれていたカメラだったんだなぁ…。

X100Fの後継機が発表されたりなんかしたら、きっと買うかどうか悩むんだろうな。
でも、X-Pro3も欲しいな…。カメラ沼はまだまだ続きそうです。

とにかく、ありがとうX100F。
次は違う人のもとで、最高の写真を撮ってくれたらいいな。

最後に、僕の気合のレビューも読んで欲しい…

そして、冒頭でも述べたように、お気に入りのX100Fを生け贄に新しいカメラを迎えました。
これが僕の my new gear …

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