SONY E 11mm F1.8 レビュー|Vlogにオススメ、気軽に持ち出せる広角単焦点

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最近のカメラの機能は動画も撮れることがスタンダードになりつつありますが、レンズに関しても動画撮影に特化したようなレンズが増えつつあります。

今回はそんな動画撮影に使いやすいSONYのAPS-C専用レンズ「E 11mm F1.8」をレビューしていきたいと思います。

E 11mm F1.8 の概要

「E 11mm F1.8」はSONY EマウントのAPS-C用のレンズで、手持ち撮影にありがたい軽量コンパクトな筐体・換算16.5mmの広角・フォーカスブリージングを抑えたフォーカス性能・F1.8の大口径によりVlogに最適なレンズとなっています。

レンズ構成11群12枚
最短撮影距離(MF時)0.15m(0.12m)
最大撮影倍率(MF時)0.13倍(0.20倍)
フィルター径55mm
外形寸法φ66 × 57.5 mm
質量181g
詳細は 公式HP

筐体は樹脂製で、非常にシンプルな外観。
ややチープな印象を受けますが、その分軽量で比較的コストパフォーマンスに優れています。

コンパクトでありながらもカスタム設定可能なフォーカスホールドボタンとフォーカス切り換えスイッチが搭載されているのは評価したいポイント。

各所にシーリング加工が施されていて、防塵・防滴性能もあります。

フードはコンパクトな花形フードが付属しています。広角レンズのフードの割には主張しすぎないサイズ感が◯。

装着例(ZV-E10)

Vlogカムの「ZV-E10」に装着した感じは、非常にマッチしています。日常使いに最適なサイズ感で、いかにもVlogカムと言った感じ。

重量もトータルで600gに満たない程なので、サブカメラとしたバッグに入れておくのもアリです。

作例と使用感

動画性能に特化しているレンズではありますが、写真に関してもレビューをしていきたいと思います。

※以下の写真はLightroomにてRAW現像をしています。

まずは風景や植物などの緻密な描写が求められる作例を。

SONYには「G」や「GM」と言った描写性能が優れた上位ラインがあり、いわゆる「無印レンズ」のこのレンズですが、写りに関してはそれほど劣ってる印象はありませんでした。

基本的にF5.6〜F8程度まで絞った作例ですが、線が太くなったりすることなく細かいところまで描写できています。

キレのある描写でも柔らかい描写でもなく、クセの無いナチュラルで優等生な写りですが、ユーザーによっては少し物足りない感じがするかもしれません。

もちろん、これだけコンパクトな設計でこの価格帯のレンズなので、”隅々までパキパキに解像する”みたいなレンズではありませんが、身軽に持ち運べるレンズとしては十分な描写性能だと思います。

広角レンズは、こういった光源が映るシチュエーションではゴーストやフレアが出やすい傾向がありますが、このレンズではあまり気になる場面はありませんでした。

もちろん、構図や角度によってはそれらが出る場面もありましたが、フードを付けていればかなり抑えられる印象です。

広角レンズは前景・後景の情報量を増やすことができるので、広角レンズらしい奥行き感を表現することができます。

対して、F1.8とは言えこれだけ広角だと被写界深度も深く、分離感はほどほど。
情報量や構図のコントロール、ボケ表現に頼れないところが広角レンズの難しいところだと思います。

被写体を強調するような構図で撮る場合はある程度寄る必要がありますが、最短撮影距離が短いため困る場面はありませんでした。

Vlog的なレンズと思われがちですが、POV(Point of view)的な一人称視点での撮影が得意なのもこのレンズの魅力。

コンパクトで持ち運びが苦にならないサイズ感だからこそ、旅先などでのよりリアルな「自分視点」の写真を撮ることができます。

ちなみに、換算16.5mmでセルフィーではこんな感じになります。

本レビューで使用している「ZV-E10」ではボディ内手ぶれ補正を搭載していないため、動画で手ぶれ補正を使う場合は少し画角がクロップ(約10%)されてしまう「アクティブ手ぶれ補正」を使う必要があります。

静止画の場合は問題ありませんが、Vlogを撮る場合はもう少し画角が狭くなることに留意が必要です。

ムービーでの使用感

実際にこのレンズを使ってPOVスナップの様子を撮ったものが下の動画になります。

ZV-E10とこのレンズの組み合わせを首から下げた状態で撮影しましたが、アクションカムほどではないものの軽量であるため、それほど疲労感なく携帯することができました。

さすがにストラップで吊り下げただけだとカメラが下を向いてしまうため、左手で構図を調整しながら撮影しました。
ちなみに、フォーカスホールドボタンに「動画撮影」を割り当てることで、左手でレンズを保持しながら録画開始をすることができます。

初動画撮影・編集なのでクオリティーは悪しからず…

高速で動く被写体を追ったりは検証できていませんが、Vlog的に使う程度であればAF速度も全く不満のない性能だと思います。

また、風景からカメラにフォーカスが移動する場面を観てもらえばわかると思いますが、フォーカスブリージングに関しても気になる場面はあまり無い印象です。

最後に

風景撮影は構図を微調整できるズームレンズが優勢だし、10mm台の広角となるとスナップでも使いにくい…と、広角単焦点は使い所が難しい印象がありますがVlogやPOV撮影でも使えるので意外と面白いレンズでした。

また、かなり軽量・コンパクトなので、”とりあえずバッグに入れておく”的な感覚で持ち出せるのが、このレンズの最大の魅力だと思います。

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