FUJIFILM X-E4 レビュー|削ぎ落とされたデザインが魅力のクラシカルコンパクト

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FUJIFILM Xシリーズの中でも人気の「X-Eシリーズ」が4代目となった。

軽量・コンパクトが特徴であるこのシリーズが、今回のモデルチェンジでデザイン面を大きくアップデートしてきた。

手振れ補正、AF性能、連写性能、高画素化などと言った現代的なスペック競争から少し離れたカメラではあるが、そのデザインに惹かれサブ機として導入することにした。

今回はそのFUJIFILMの「X-E4」をレビューしていきたい。

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X-E4の概要

有効画素数約2610万画素(APS-C)
ファインダー0.39型 有機ELファインダー 約236万ドット 視野率約100%
ファインダー倍率 0.62倍
液晶モニター3.0型 チルト式 タッチパネル付きTFTカラー液晶モニター 
約162万ドット
本体外径寸法[幅]121.3mm ×[高さ]72.9mm ×[奥行き]32.7mm(最薄部)
重量約364g(バッテリー、SDカード含む)
詳細なスペックに関しては 公式HP を参照

センサーや画像処理エンジンが最新のものに変わっていることもあり、基本性能は先代の「X-E3」よりも大幅に進歩している。

それだけではなく、ボディサイズもさらに小さくなっており、軽量・コンパクトが特徴であるシリーズでハイスペック化かつ小型化という正当進化を遂げている。

スペック的な部分も触れておくと、エントリー機に分類される「X-E4」だが、2021年現在で最新となるイメージセンサーの「X-Trans CMOS 4」、画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載しており、中身は概ねハイエンド機と同等だ。

フィルムシミュレーションも「クラシックネガ」「エテルナ ブリーチバイパス」を含む18種類が用意されている。

外観

X-E4は旧モデルである「X-E3」と比較して、様々なものが取り払われたフルフラットデザインとなっている。

全体的にシャープなデザインとなっており、よりクラシカルな装いとなった印象だ。
コンパクトだが、可愛らしデザインというよりもシャープでスマートな見た目のように感じる。

前面で言うとグリップとAFモード切り替えレバーが廃され、あるのは前面のダイヤルと「X-E4」の文字だけだ。

ダイヤル・操作系の変更点

ダイヤル配置はX-E3を踏襲している部分が多いが、X-E4では「AUTO」のレバーが無くなり「Qメニュー」のボタンが配置された。

また、シャッタースピードダイヤルに「P(プログラムオートモード)」ポジションが追加されている。

シャッタースピードと絞りがオートで設定されるため、すぐにシャッターを切りたいシチュエーションなどでは有効活用できそうだ。

後面では「AF-L」「Qボタン」を兼ねたサムレストとリアダイヤルが無くなり、ボタンやスティックの配置が変更となっている。
前モデルでは上部に配置されていた「VIEW MODE」のボタンも廃され、ファインダーの設定はメニューから行うようになっている。

旧モデルユーザーだけでなく、他のFUJIFILM機を使っているユーザーですら少し戸惑うかも知れないが、すぐに慣れるレベルだろう。

シリーズ初搭載の180°チルト式LCDモニター

最も大きな変化としてはこれまでの「X-Eシリーズ」に無かったチルト式LCDモニターが搭載された。もちろんタッチパネルだ。

これにより撮影の自由度が格段に上がるし、180°チルトするため自撮りもするユーザーにはかなり嬉しい設計になっている。

格納している際もフルフラットになっているので見栄えも良いが、つまみ部分はモニター下部にあるため下方向にチルトしたいときには一度上方向に展開しないとやりずらい。

ちなみに、解像度は旧モデルの104万ドットから162万ドットに上がっている。

バッテリー・SDカードスロット

バッテリーとSDカードスロットは同じ場所に配置されている。
三脚穴に関しては、やはりセンサーの軸とはズレた配置だ。三脚用のプレートを装着すると、バッテリーもSDカードも取り出せなくなる。

もう慣れたが、FUJIFILMのコンパクトなシリーズはだいたいこうなっているので、三脚などを頻繁に使うユーザーはバッテリー交換などでも不便を感じるのを理解しておく必要がある。

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レンズ装着例

今所有しているレンズはあまり多くないが、少しだけレンズ装着例を紹介しようと思う。

XF23mm F1.4 R

「XF23mm F1.4 R」はFUJIFILMのレンズラインナップの中では比較的コンパクトな部類だが、X-E4ほどのコンパクトボディと合わせるとさすがに少し大きく感じる。

見た目のバランスは少しアンバランスな感じだが、重量的には扱える許容範囲だと思う。

XF35mm F1.4 R

F1.4という明るさとコンパクト・軽量を兼ね備えた「XF35mm F1.4 R」。

X-E4と合わせるとまさにベストマッチといった感じ。この軽量な装備で高クオリティーな写真が撮れるなら、いつでも持ち出したいと思える組み合わせだ。

XF56mm F1.2 R

FUJIFILM屈指のポートレートレンズ「XF56mm F1.2 R」は、XF23mm F1.4 R とほぼ同じサイズのため、装着した感じもかなり似ている。

このレンズを使うユーザーにはもう少し適したボディがある感は否めないが、まぁ全然使えないことはない。

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他のカメラとの比較

FUJIFILMには同価格帯のカメラがいくつか存在する。
購入する時に悩む人も多いと思うため、個人的な意見も交えながら比較してみたいと思う。

X-T30

X-T30」はX-E4を購入する前に使用していた機種で、スペック的な立ち位置もかなり近い存在と言えるだろう。

X-E4X-T30
外径寸法[幅]121.3mm
[高さ]72.9mm
[奥行き]32.7mm(最薄部)
[幅]118.4mm
[高さ]82.8mm
[奥行き]46.8mm
重量約364g約383g
ファインダー0.39型有機ELファインダー
(約236万ドット、ファインダー倍率:0.62倍 )
0.39型有機ELファインダー
(約236万ドット、ファインダー倍率:0.62倍 )
液晶モニター3.0型 チルト式 タッチパネル付き
TFTカラー液晶モニター 
約162万ドット
3.0型 2方向チルト式 タッチパネル付き
TFTカラー液晶モニター
約104万ドット

スペック的な部分で言うと、積んでいるセンサーや画像処理エンジンは同一の物のため写真のクオリティーは変わらないだろう。ファインダーのスペックも全く同じだ。

違う点は背面の液晶モニターで、X-E4の方が約162万ドットと解像度が高い。感覚的な部分ではあるが、確かにX-E4のモニターの方が高精細な気もする。
また、X-T30は上下方向へのチルトのみだが、X-E4では180°展開して自撮り撮影も可能だ。

その他にも、フィルムシミュレーションの数(特に人気の「クラシックネガ」の有無)も注目するポイントだろう。

サイズ感はほとんど同じだが、X-T30はファインダーのペンタ部があるため少し高さが出る。小さめのカメラバッグに収納する際は意外とこの少しの差が響いてくることもある。

グリップの有無やダイヤルの数など、カメラとしての使いやすさに関してはX-T30の方が優れている。
また、X-T30には簡易的ではあるがフラッシュが搭載されているため汎用性も高い。

価格に関しては、このレビューを書いている時点ではX-T30が少し古い機種ということもあり、意外と差がある。

余談ではあるが、僕がX-T30からX-E4に乗り換えた最大の理由はグリップ部(ボディを覆っている革部分)の素材感の違いだ。
X-T30はラバーっぽい素材であるのに対し、X-E4は上位機種と同じように本革となっている。

細かいところではあるが、グリップ部分は常に手が触れる部分であるため、素材感はもちろん経年劣化も気になる。
カメラはできるだけ綺麗な状態で使いたい派の僕としては、ボディに使用されている素材はかなり重要なポイントとなる。

結局のところ、スペック的な部分はほぼ同等であるため、あとは予算やデザインの好みが選ぶポイントとなるだろう。
僕のようにレンジファインダー型のカメラが好きで、素材感に相当なこだわりがある人はX-E4一択だが、X-T30もカメラとしての完成度は高いため初心者にはかなりオススメな選択肢だ。

X-S10

X-S10」は僕もギリギリまで購入を悩んだ機種で、結論から言うとほとんどのユーザーには悩むことなくこちらをオススメする。

公式HPより
X-E4X-S10
外径寸法[幅]121.3mm
[高さ]72.9mm
[奥行き]32.7mm(最薄部)
[幅]126.0mm
[高さ]85.1mm
[奥行き]65.4mm(最薄部32.9mm)
重量約364g約465g
ファインダー0.39型有機ELファインダー
(約236万ドット、ファインダー倍率:0.62倍 )
0.39型有機ELファインダー
(約236万ドット、ファインダー倍率:0.62倍 )
液晶モニター3.0型 チルト式 タッチパネル付き
TFTカラー液晶モニター 
約162万ドット
3.0型 バリアングル式タッチパネル付き
TFTカラー液晶モニター
約104万ドット

どんなレンズと組み合わせても安心の大型グリップ、ボディ内手ぶれ補正や、バリアングルモニターといった最近の動画撮影需要にも対応した基本装備など、“正統派ハイスペック”なのが「X-S10」だ。

気になるフィルムシミュレーションも最新の「クラシックネガ」「エテルナ ブリーチバイパス」を含む18種類がどちらのカメラも使用可能。

X-E4と比較して少し大きく重くはなるが、それでも十分にコンパクトなボディと言えるだろう。
操作性に関しては、他のXシリーズと少し異なるが、シンプルな操作性は他のメーカーからの乗り換えユーザーにもわかりやすい。

価格に関してはX-E4よりも少し高くはなるが、X-E4に純正ハンドグリップを購入した場合はほとんど価格差はなくなる。

X-S10は価格とスペックのバランスがとても魅力的なカメラだが、X-E4のデザインやグリップを後付けすることで「携帯性重視」と「安定感重視」を使い分けれることも魅力だと思い、僕はX-E4を選択した。

この両者もなかなか悩む選択肢だが、個人的にはほとんどのユーザーは撮影性能の高さからX-S10を選ぶのがオススメだ。
サブ機としてできるだけ軽い機種が欲しい人や、デザイン優先でカメラを選びたい人はX-E4が良い選択肢となるだろう。

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アクセサリーについて

X-E4には専用アクセサリーとして「ボトムレザーケース」「メタルハンドグリップ」「サムレスト」が用意されている。

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好みや撮影スタイルによってアクセサリーを足すことができるため、多くのユーザーのニーズに対応できる。

ハンドグリップやサムレストは、前述した「XF23mm F1.4 R」や「XF56mm F1.2 R」などの大口径ラインナップのレンズを使う際に装着するとかなり使い勝手は良くなるだろう。

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作例

作例と言ってもRAW現像を行なっているため、あまり参考にはならないが、上級機種と同等の写真が撮れるということだけでも伝われば。

縦写真を連投してしまったが、レンジファインダー型のカメラはファインダーがカメラの端に配置されているため、個人的にはカメラを縦に構えやすく縦写真を撮るのが増えている気がする。

小さいカメラは持ち出すハードルも低いため、ちょっとした外出でも持っていきたくなる。
今まで撮らなかったようなシチュエーションでの写真を撮れるようになるので、小さいカメラはオススメだ。

小さいカメラは持ち出しやすいだけでなく、「カメラを構えて写真を撮る」という動作すらも身軽にしてくれる。
大きいカメラやレンズで撮ると“いかにも”という写真が撮れるが、小さいカメラで撮った写真はなんとなく自然体で“日常感”のある写真になる。

当たり前ではあるが、画質はもちろん申し分のないレベル。
他社のコンパクトモデルというと、どうしてもダウングレードのスペックに感じてしまうものが多いが、FUJIFILMのカメラはどれを使っても画質が変わらないため安心して使える。

僕は完全にRAW現像派だが、フィルムシミュレーションも豊富にあるためカメラ初心者でも満足できる写真が撮れるだろう。

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使用感

デザイン、造りが良い

フルフラットデザインを採用したレンジファインダースタイルは、とにかくソリッドなデザインでカッコ良いの一言に尽きる。

軍幹部にはマグネシウム合金が使われていることによる剛性感や、FUJIFILMらしい塗装の質感など、エントリーモデルとは思えない造りの良さを感じる。

また、一世代前のエントリーモデルは劣化しやすいラバー素材がグリップやファインダーに使われていたが、X-E4はちゃんと革張りでファインダーの素材もプラスチックのような劣化しにくい素材となっている。

細かいところを言うと、旧モデルは天面にAUTOレバーの「AUTO」やファンクションボタンの「Fn」の文字があったりしたが、X-E4ではそれらが省略されているのも好印象。

とにかく、デザインに関してはユーザーの満足度はかなり高いだろう。

グリップは無いが、持ち方の自由度は高い

X-E4のグリップに関してはネット上で賛否両論あるようだが、個人的には中途半端にグリップがあって持ち方を制約されるより、全く無い方が自由度が高く持ちやすいと感じている。

大型のレンズを付けるとホールド感に欠けるが、両手で構えて撮るには全く不足は感じない。

むしろ、左手でカメラを構えて、右手はレリーズに集中するという設計だと受け入れて使うカメラなんじゃないかなとも思う。

片手でスナップを撮るようなスタイルのユーザーには物足りないグリップだが、アクセサリーのグリップを取り付けることで解決できるだろう。

AFモード切り替えレバーば欲しかった

たぶん大多数の人が思っているだろうが、「フォーカスモード切り替えレバー」は搭載して欲しかった。

FUJIFILMのカメラというとほとんどのモデルに「フォーカスモード切り替えレバー」を搭載している。メニューを開かずとも簡単に素早く「AF-S」「AF-C」「MF」と切り替えることができるためかなり便利だったのだが、X-E4ではそれすらも省略された。

サブ機として使用する場合、他機種と操作性を統一するという観点で個人的には搭載して欲しかったが、シンプルを突き詰めたモデルだという事を考えると仕方ないのかも知れない。

欲を言うとX100シリーズのようなスライド式のスイッチだったら最高なのに…

ただ、「Qメニュー」にさえ登録しておけば、簡単にフォーカスモードを切り替えられるため、そこまで致命的な欠点でない。

ストラップが…

X-E4で最も不満に思っているのが、ストラップホールの構造だ。
今までは丸穴に三角環というのがXシリーズの通例であったが、X-E4ではなぜか平型のものが採用されている。

僕の使いたいストラップはほとんどが丸型の二重環であるため、付けるとかなりミスマッチな感じになる。ストラップにこだわりのある僕としては大ダメージだ。

一方で、かの有名な「Peak Design」のストラップシリーズは少し相性が良くなった。

Peak Designのストラップを接続する「アンカーリンクス」は、今まで三角環を介して装着しなければならなかった。これが結構ブサイクだったわけだが、X-E4では直接装着が可能となっている。

結果的にPeak Designの「Leash」という製品に落ち着いたが、使い勝手は良好だ。
ちなみに、アンカーリンクスは一度捻ってから付けると、わずかではあるが短く付けることができる。

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最後に

「X-E4」はデザインに振り切ったカメラで、現代的な撮影を補助してくれる機能は少ない。
ただ、こんなカメラが作れるのはそういった機能を搭載した他のラインナップが豊富にあるFUJIFILMならではとも言える。

正直なところを言うと、このカメラの特徴は「軽量・コンパクト」と「デザイン性」くらいのものだが、所有している満足感はかなり高い。
それは「余計な装備はいらないから、シンプルでカッコいいカメラが欲しい」という需要を満たしてくれているからだろう。

エントリーモデルとしての価格やわかりやすい操作性でありながら、スペックに関しては上級モデルと同等、それに加えてシンプルで洗練されたデザイン性、「X-E4」は初心者から上級者まで満足できるクオリティーのカメラだと思う。

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