カメラバッグというと各メーカーから豊富なラインナップが展開されているが、いかにも”カメラバッグです!“って感じのゴツ過ぎるデザインの物や、配色が派手すぎる物が多い。
サイズに関しても、たくさん機材が入れられるように大きめに設計されている物がほとんど。
本気の撮影に持っていくならまだしも、日常使いにちょうどいいカメラバッグというのは意外と選択肢が少ない印象だ。
そんな中でも、Peak Designの「EVERYDAY BACKPACK ZIP 15L」が日常使いにもちょうど良いデザイン・サイズのカメラバッグとなっている。
今回は、このバックパックのレビューをしていきたい。
概要
「EVERYDAY BACKPACK ZIP 15L」は、Peak Designの人気バックパックシリーズ「EVERYDAY BACKPACK」のジッパーオープンタイプのモデルだ。
サイズ展開は15Lと20Lであり、15Lでは、ブラック、アッシュ、ミッドナイト、ボーンの4種類のカラーがラインナップされている。
外観
※ ブラックモデルであるため、以下の写真が少し分かりづらくなっている事をお詫びしておきたい。
外観は光沢感のあるナイロン素材(400Dナイロン)で防水性能があり、ジッパーには止水ジッパーが採用されている。
カメラバッグっぽいゴツさが少なく、スリムでシンプルなデザインが好印象。
ちなみに、重量は1.34kg(ディバイダー含む)と、カメラバッグとしては比較的軽量な部類だろう。
このバックパックは、上面・両側面から荷物にアクセスすることができる。ジッパーも計4本あるため、展開の自由度は高い。
左右の側面にはそれぞれ、大型のサイドポケット(W:最小約11cm × H:最小約16cm)とハンドルがある。
サイドポケットには三脚などを差し込んでおくことも可能だ。意外と深さがあってフィット感も高いポケットだが、長尺の物は少し不安定な印象だ。
背面クッションは面積が小さめだが波型の構造のため通気性が良い。
また、キャリーバッグのハンドルにも通せる構造となっているため、旅行の際などにはありがたい。
ショルダーハーネスはやや薄めでクッション性が低い気もするが、柔軟性が高くてフィット感は良好。
根本の可動性の高さもフィット感に一役買っている。
このショルダーハーネスも余計な装飾などが無いため、同社製品の「CAPTURE」も問題なく装着することができる。
底面はより防水性の高い素材(ターポリン?)となっており、少し湿った場所に置いたりしても安心だ。
収納
コンパクトなバックパックだが、収納スペースは豊富に設けられている。
まず、上面のジッパーを開けると、13インチまでのPCなどに対応したラップトップスリーブとタブレットスリーブがある。
その前面には中型のポケット(W:約23cm × H:約13cm)と小型のポケット(W:約10cm × H:約9cm)が二つ配置されている。
展開部背面にも小型のジッパーポケット(W:約13cm × H:約11cm)がある。
側面内部にもポケットがそれぞれ2ポケットずつあり、上部はマグネット式(W:約14cm × H:約11cm)、下部はジッパー式(W:最小約9cm × H:最小約10cm)となっている。
伸縮性のあるポケットでカメラのバッテリーやケーブル類などの小物整理で活躍しそうだ。
付属品
バッグ本体の他に、
- ディバイダー ×2
- チェストストラップ
- キャリーストラップ ×2
- アンカーリンクス キーストラップ
が付属している。(ディバイダーに関しては、下記の収納例で紹介したい。)
チェストストラップ
チェストストラップは一般的なバックパックのようなバックル型ではなく、フック型となっており両方のショルダーハーネスを繋げて使用する。
引っ掛ける部位は複数あり、ハーネスの長さに応じて位置を調整することができる。
使わない時は片側のショルダーハーネスにまとめることも可能だし、取り外すこともできるので使わない時にプラプラしないのが良い。
キャリーストラップ
キャリーストラップは、バッグ各所(計10か所)に配置されたループに引っ掛けて使用する。
サイドポケットに収納した三脚の固定を補助したり、衣類などを引っ掛けておくことができる。
コンパクトなバッグなため、外部収納を拡張できるのはありがたい仕様だ。
アンカーリンクス キーストラップ
サイドポケット内部にはキーストラップが収納されており、アンカーリンクスを付けた鍵などを繋げておくことが可能。
もちろん、使わない場合は取り外すこともできる。
収納例
メインコンパートメントは、ディバイダーの配置によって1〜3気室に分けることができる。
ディバイダーのサイズは、W:約23cm(折り目毎に 9cm+5cm+9cm)× D:約10cmで、折りたたんだりすることで更に最大3区画を作ることができる。
以下に、簡単に収納例を紹介していく。
- LUMIX S5
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary
- LUMIX S85mm F1.8
- SIGMA fp
- SIGMA 35mm F2 DG DN Contemporary
所有している機材でガッツリ撮影する場合の収納はこんな感じ。
筆者は比較的コンパクトなカメラやレンズを使用するため、割と収まりが良い。
このディバイダーの配置であれば、標準レンズを付けたボディ、小型の単焦点レンズ、中型のレンズ(例ではSIGMA fpを配置)を収納できる。
上部のコンパートメントは空きスペースなので、機材以外の荷物やレンズ付きのボディが収納可能だ。
- LUMIX S5
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary
- LUMIX S50mm F1.8
- LUMIX S85mm F1.8
LUMIXのS5をメインに機材を構成するとこんな感じ。
上部にレンズ付きのボディ、中部に小型の単焦点レンズを2本収納している。
ボディが複数必要でない場合はこの配置が最も使い勝手が良い。
ディバイダーの折り方によってさまざまな大きさのレンズが収納できる。
- SIGMA fp
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary
汎用性の高い最小構成で機材を収納する場合は、2気室でディバイダーを配置するのが良い。
SIGMA fpというコンパクトなカメラを例としているが、最近のミラーレスカメラであれば十分に空きスペースを作ることができる。
一泊二日の旅行程度であれば、これだけの容量でも行けないこともないだろう。
- LUMIX S5
- SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN Contemporary
ディバイダーは縦向きに配置することができるため、例えば片側にはカメラ、片側にはレンズというように両サイドのポケットそれぞれで荷物を分けることもできる。
ディバイダーの折りたたみ方次第では大三元望遠レンズのような大型のレンズも収納できるだろう。
使用感
デザイン・サイズ感がちょうど良い
まず、”カメラバッグらしくない“ とまではいかないものの、余計な装飾などが施されていないシンプルにまとまったデザインは素直にカッコいいと思える。
ZIP 15Lは、通常の「EVERYDAY BACKPACK」やZIP 20Lモデルと比較してもカメラバッグにありがちなゴツさが少なく、スタイリッシュなデザインとなっている。
バッグ自体がスリムな設計のため、背負っても良い感じに背中に収まるコンパクトさだ。
容量も絶妙で、軽い撮影機材+αの収納にはちょうど良い。
前述した収納例のような筆者と同じくらいの機材量であれば、機材を収納しても十分な空きスペースができる。飲み物や衣類、ガジェットポーチなど、いろんな物を収納できるだろう。
この15Lという容量のバックパックはZIPモデルにしかなく、バッグ自体の重量が軽いのも○。
使いやすい荷物へのアクセス
このバックパックの最大の特徴は、広い範囲に配置されたジッパーによる荷物へのアクセスのしやすさだと思う。
サイドオープンができるため、バッグをわざわざ下ろさなくても中の荷物の出し入れが容易で、両サイドからアクセスすることもできる。
レンズ交換もスムーズに行うことができるし、筆者的にはサブカメラを素早く取り出せるのが非常に便利。
このバッグには、バッグパックでありながらスリングバッグのようにスムーズに荷物を出し入れできる快適さがある。
収納は意外と自由度が低い
付属のディバイダーによって自由自在にメインコンパートメントを区画できると思いきや、意外にも自由度はそれほど高く無い。
ディバイダーの折り畳める位置や方向が決まっているので、収納したい機材のサイズが合わなかったり、デッドスペースができてしまうことも多い。
機材をピッタリかつ自由に収納したい場合は、メインコンパートメントをより調整できるタイプのカメラバッグをオススメする。
最後に
今まで色々とカメラバッグを使ってきたが、結局「Peak Design」のバッグを選んでしまうほどこのメーカーのバッグは使い勝手が良く、カメラバッグの中ではスタイリングも優れている。
この「EVERYDAY BACKPACK ZIP 15L」はガッツリ機材を持ち歩くと言うのには向いていないが、普段使いに適したサイズ感と収納力で、ちょっとした撮影から旅行までいろんなシチュエーションで活躍してくれるバッグパックだ。
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