SONY ZV-E10 レビュー|カジュアルに写真も動画も楽しめるエントリーミラーレス

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最近は全体的にカメラの価格が高騰していて、これからカメラを始めようとしているご新規さんにオススメできるカメラっていうのは個人的にはほとんどありません。

そんな中で、お手頃価格でエントリーユーザーでも扱いやすい性能、写真からVlogなどの動画も楽しめる数少ないカメラ、SONYの「ZV-E10」をレビューしていきたいと思います。

※ 動画性能についてはYouTubeで多くの動画クリエイターがレビューしているので、この記事ではスチルをメインにレビューをしていきます

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ZV-E10の概要

ZV-E10」はSONYから発売しているAPS-Cサイズのセンサーを積んだレンズ交換式のカメラで、“VLOGCAM”という名の通り写真だけでなく動画性能にも特化したカメラとなっています。

有効画素数約2420万画素
ISO感度100-32000(拡張:下限 50/上限 51200)
液晶モニター3.0型 TFT駆動
92万ドット タッチパネル
シャッター電子制御式 縦走りフォーカルプレーンシャッター
メカシャッター/電子シャッター
1/4000-30秒
ボディ内手ぶれ補正なし
連続撮影速度最高約11コマ/秒
質量(バッテリー、SD込み)約343g
外形寸法W:115.2 × H:64.2 × D:44.8 mm
詳細は 公式HP 参照

ズームレバーや大きなRECボタンなどが装備されており、いかにも“動画機”らしい設計。
α6000シリーズやα7シリーズと比べると、ボタンやダイヤルが少なかったり配置が異なる部分も多いので特殊な操作感に感じます。

操作系がグリップ側に集中しているため、片手でもあらゆる操作が可能な反面、レイアウトがやや窮屈に感じるユーザーもいるかもしれません。

ちなみに、グリップは浅めですが、これは自撮りでも他撮りでも持ちやすい形状に設計したのだとか。

ZV-E10には高性能なマイクが標準搭載されており、外部マイク無しでも高音質な動画収録が可能となっています。

また、標準でウィンドスクリーン(通称:モフモフ)が付属しているので、屋外でも余計な風切り音をカットすることができます。

モニターはバリアングル式で、周囲が囲まれていないデザインになっているためモニター操作はかなりしやすい印象です。

外部マイクを利用する場合も、マイク端子の位置がモニターの可動域に干渉しないように設計されています。

SDカードスロットはシングルで、バッテリー部分に配置されていて、バッテリー蓋との位置関係的に絶妙に取り出しにくい位置にあるのが△。

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作例と使用感

※ 作例はLightroomにてRAW現像しています

最大のメリットはなんといってもこのサイズと軽さ。
APS-Cのミラーレスは「小型・軽量」が魅力ですが、ZV-E10はその中でも特に軽くて小さい。(同社APS-Cの「α6700」は約493gで、ZV-E10は約343g)
ファインダーが無いなどのハード的な制限はあるものの、この軽さはかなり魅力的。

また、ボディ自体も凹凸の少ない直線的なデザインであるため、バッグなどへの収まりも良好。
日常のスナップには最適な携帯性の高さです。

AF性能に関してはさすがはSONYといったクオリティー。速度だけでなく追従性、被写体認識の精度も良好です。

特にタッチ操作による「リアルタイムトラッキング」が便利で、被写体へのフォーカスをキープしたまま構図を決めるような撮り方もできます。

花のようなフォーカスのターゲットが複数存在したり、風に揺れて位置が安定しないような被写体では特に活躍してくれます。

スイッチやダイヤルが少ないことによる直感的な撮影設定はやや苦手ですが、
バリアングルモニターによってフレーミングの自由度が高く、タッチ操作で被写体を決めてサクサク撮れるので、撮影自体はかなり快適です。

“撮る行為を楽しむカメラ”というよりは、スマホで写真を撮るような感覚でカジュアルに写真をとるカメラという感触でした。

画質に関してはレンズ性能にも依存しますが、2400万画素クラスのAPS-Cセンサーなので必要十分以上。
建造物や植物など、遠景でも細かいディティールをしっかり描写してくれます。

個人的にSONYのAPS-C機全般的に感じることではありますが、ハイライト部分は諧調が乏しいように感じます。
空などを写し込む場合には、露出設定に注意しないとすぐに白飛びしてしまう印象です。

ISO:800
ISO:3200

参考までに、高感度性能については、昨今のミラーレスと比べるとやや弱め。
とは言ってもISO:3200程度までであれば色やディティールの崩れはそれほど気にならない程度かなと思います。

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動画性能について

上の動画は、ZV-E10で撮影したものです。
(ZV-E10は 4K/30p でも撮影できますが、この動画は FHD/60p で撮影しています。)

画質の良さと、フォーカスの速さ・精度などはある程度伝わるかと思います。

また、音質に関しても、内臓マイクに付属品のウィンドジャマーを付けただけですが、かなりクリアに環境音が取れている印象を受けました。(シャッター音は後付けです)

動画に関してはプライベートなものが多いのであまり作例を出せませんが、さすが「VLOGCAM」だけあって、軽量なボディは日常の動画を撮るのには最適です。

最近ではAPS-Cでも広角レンズのラインナップが充実してきたのも、これからVlogを始めようと思っている人にはありがたいポイントだと思います。

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ズームレバーでデジタルズームも使えるため、軽量な単焦点で身軽に運用するのも良いかもしれません。

ZV-E10の気になるポイント

  • ファインダーが無い
  • グリップが浅くて、ホールド感は物足りない
  • ダイヤルやボタンが少ないことによるカスタム性の低さ
  • ボディ内手ぶれ補正は非搭載

などの一般的なウィークポイントがあることは承知で購入しましたが、実際に使ってみて個人的に感じた致命的なポイントが(細かい点も含めて)いくつかあったので、あえて強調して紹介しておきたいと思います。

シャッタースピードが最大:1/4000まで

ZV-E10は電子シャッターも使えるにも関わらず、シャッタースピードが最大で1/4000秒までしかありません。

これだと、晴れの屋外撮影ではF1.4などの大口径はおろかF2ですらシャッタースピードが足らず、露出オーバーになることがあります。

拡張ISOを使えばシャッタースピードの調整ができるものの、画質への影響を考えると使用は避けたいところ。

最低でも1/8000秒は欲しい…

モード切り替えボタンのレスポンスが悪い

写真と動画の切り替えに便利?なモード切り替えボタンが搭載されていますが、かなり気になるレベルでこのボタンのレスポンスが悪い印象です。

また、写真→動画→S&Q(スローモーション撮影)の順で項目が切り替わるので、動画から写真に切り替えたい時にS&Qを経由しないといけないのも意外にストレスです。

このボタン自体の設定を変えたり、他の機能を割り当てたりもできないので、このボタンが便利なのかどうかは疑問です。

ズームレバーの仕様が△

写真(jpegのみ)でも動画でもデジタルズームができる便利なズームレバーですが、写真を「RAW」で撮る場合はこのデジタルズームは使えず、ズームレバーを操作した際にエラー表示が出てきます。

このエラー表示がなかなかの曲者で、設定で非表示(レバーの操作offも不可)にもできない、他の機能も割り当てられない、表示はボタン操作をしないと消せない、など個人的には許せないポイント。

レバー自体も結構柔らかめで、ちょっと指が触れただけでも操作判定がされるくらい無駄に感度も良いので、結構困るシーンがあったりもします。

「ISO AUTO低速限界」が設定できない

これは『ISO AUTO + Aモード(絞り優先)』で撮ることの多い筆者にとって最も許せないポイントで、ZV-E10は「ISO AUTO低速限界」が設定できません。

※ 「ISO AUTO低速限界」:「ISO AUTO」の時にISO感度が変わり始めるシャッタースピードを設定(=「ISO AUTO」の時の最低シャッタースピードを設定)

これが設定できないとどういうことになるかというと、(Aモードで撮影する場合に)ISO感度が上がらないようにシャッタースピードを優先的に下げてしまいます。

それによって、屋内など光量が不足するシーンで動体を撮る時に、シャッタースピードが足らず被写体ブレが起きてしまいます。

ただでさえボタンやダイヤルが少ないため操作性が劣るのに、設定項目については充実させて欲しかったところです。

最後に

  • 価格がリーズナブル
  • 軽量・コンパクト
  • SONYクオリティーのAF性能
  • 内臓マイクが優秀
  • 初心者に嬉しいシンプルな操作性
  • ボタン、ダイヤルが少ない
  • ボディ内手ぶれ補正非搭載
  • 性能、設定項目的に、カメラ慣れした人には物足りない

価格や性能的に、エントリーユーザーや予算を抑えたい人にはオススメなカメラなのはもちろんですが、フルサイズとレンズが共有できたりコンパクトなボディを活かしたサブ機としてもちょうど良い立ち位置のカメラだと思います。

筆者はちょっとした動画やこのブログの物撮り用に使うことが主ですが、(いくつか妥協点もあるものの)身軽に写真を撮りにいくのにもちょうど良いカメラです。

ウィークポイントの方が目立ったレビューになってしまいましたが、後継機の進化に期待です。

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