SONYのミラーレス一眼はラインナップが充実していて「メインをフルサイズ・サブをAPS-C」と運用している人も多いと思います。
フルサイズ・APS-Cとも共通で使えるEマウントですが、それぞれで絶妙な画角で使えるレンズ「FE 28mm F2」というレンズについて、最近撮ってきた作例とともにレビューしていきたいと思います。
FE 28mm F2 の概要
「FE 28mm F2」はSONY フルサイズEマウント対応の単焦点レンズです。
外形寸法:最大径×長さ | φ64 × 60 mm |
重量 | 200 g |
最短撮影距離(MF時) | 0.29(0.25) |
フィルター径 | 49mm |
発売は2015年とやや古参のレンズになりますが、フルサイズ対応のここまで軽量・コンパクトな「28mm単焦点レンズ」は実質的な競合レンズが存在しない、ある意味唯一無二のレンズとなっています。
外観は、装飾やスイッチ類などが無いシンプルなデザインですが、総金属製(アルミ)のレンズであるためチープな印象はありません。
フードはプラスチック製の花形フードが付属。特に可もなく不可もない、一般的なフードです。
装着例
軽量・コンパクト・シンプルなデザインのレンズであるため、どのボディに装着してもすっきりとまとまると思います。
筆者の所有する「α7CⅡ」「ZV-E10」ともにコンパクトなボディですが、見た目のマッチング・グリップした際のバランスともに良好です。
コンバーターレンズについて
この「FE 28mm F2」には、「ワイド(21mm)」と「フィッシュアイ(魚眼)」の2種類のコンバーターレンズが存在します。
レンズ先端に装着することで画角を簡単に変更することができる面白いシステムですが、保護フィルターを装着できなかったり、現在では他のレンズラインナップが充実しているため、あまり有効なアイテムではなさそうです。
作例と使用感
※ 以下の作例は「Lightroom」にてRAW現像をしています
このレンズの最大の特徴は、スナップ撮影において使いやすいトータルバランスだと思います。
高い携帯性、ストリートスナップからちょっとした風景まで撮りやすい画角、開放F2という必要十分な明るさ。
リリースされたのが少し前で影の薄さが否めないレンズではありますが、実は絶妙に扱いやすいスペックとなっています。
AF駆動にはリニアモーターが採用されているため、最新機種で使ってもAF性能に不満などは全く無く、ストリートでもサクサク撮影ができる快適さ。
広角レンズは構図や写る情報量の整理・歪みやパースなどの独特の難しさがありますが、「28mm」という画角は良い意味で広角らしさが少なくて使いやすい。
広々とし過ぎず、なんとなく眺めている風景をそのまま切り撮れる画角なので、使っていてすぐに馴染んでくる感覚があります。
絞り開放では、いかにも“SONYの無印レンズ”といった感じの若干甘めの描写。
決して解像感が無いわけではないですが、現代的なクリアでシャープっていう感じではない印象。
一方で、アウトフォーカス部にもじんわりとした滲み感があり、このなんとも言えないしっとり感がこのレンズの魅力かもしれません。
また、歪曲や周辺減光はありますが(カメラの設定や後処理で修正可)、フリンジなどの色収差が気になる場面は少なく、意外にも絞り開放から優等生でした。
(夏場の日差しが強いシーンなどでは赤系やシアン系のフリンジがでました)
もちろん絞れば隅々まで解像し、かなりクリアな写りになります。
「絞ればシャープ」なんてのは当然ですが、F値によってここまでキャラクターの変わるレンズは1本で2度美味しいというやつ。
この絞った時の描写が抜群に良くて、建築物を撮った時のキリっとした感じが非常にカッコ良い。
作例はそれほど多くありませんが、APS-C機である「ZV-E10」で使うと換算約40mmクラスとなり、こちらもスナップで非常に扱いやすい画角となります。
フルサイズ対応レンズで、画角的にもレンズ本体との組み合わせ的にもこれだけ汎用性の高いレンズは珍しいと思います。
最後に
SONYのEマウントは、ハイスペックなレンズが次々と発売されていますが、古参のレンズもなかなか悪くありません。
絶妙に扱いやすいスペック、必要十分な描写力、それでいてリーズナブル。
身軽にストリートスナップをしたり、旅行でも大活躍しそうなレンズなので、意外と侮れないレンズかもしれません。
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